2024/04/12
『神羅万象 我々はどこから来て、どこへ行くのか』
福岡 伸一(ふくおかしんいち) 著
著者は現在、青山学院大学教授・米国ロックフェラー大学客員教授の生物学者です。福岡氏の過去の著書『生物と無生物のあいだ』はサントリー学芸賞と新書大賞を受賞した大ベストセラーです。
新著『神羅万象 我々はどこから来て、どこへ行くのか』は以下の四章から構成されています:(1)“いのち”とは何か?~「動的平衡」でみる生命の流転~、(2)人間の知らない“生物の美しき多様性”、(3)DNA研究は新たなステージへ~人類の起源を巡る旅~、(4)フクオカ少年と未知の世界への扉。
全章を通して「生命とはなにか」、「生物はなぜ死ぬのか」といった私たちの持つ素朴な疑問に対する答が、いろいろな形で述べられています。生物に対する考え方は、以前の著書 『動的平衡 [1] 生命はなぜそこに宿るのか』(木楽舎)と同じ“生命の流転”に基づきます。生物とは、“厳しい自然の掟に翻弄されながら命を繋いでいく生き物”としてとらえられています。しかし、人間だけは、「遺伝子操作」をはじめいろいろな技術を次々に開発し、“自然の掟”に抵抗しようとしていると著者は考えています。
随所に生物の多様性と不思議さが紹介されていて、納得する箇所や感動する箇所が沢山あります。各章とも短編のエッセイから構成されているのでどこから読んでも気軽に楽しめます。
(紹介者:友清) 専門: 材料科学、電子顕微鏡法
〜この本を探すには〜
発行年月日:2023/11/02
ISBN-10:4594096220
ISBN-13:978-4594096229